求める人材像

Interview

薬剤師の多様性を追求する上坂氏の考える「輝き」とは?

代表取締役社長 上坂理氏インタビュー(記者/中川)

主役はあくまでも社員さん。選ばれる理由があるからそこで輝ける。

  • 経営理念に「輝くわたしたちが」とありますが、なぜこのような理念にされたんですか?
  • 主役が社員さんだからです。自分はあくまでも裏方です。薬をカウンター越しにお渡しするときに、現場の方は輝いていますからね。
  • 直接患者さんと接するのは薬剤師さんですもんね。
  • そうです。たとえば理念の3番目には「選ばれる理由~」と入っているのですが、銀座の飲食店の焼きサバ定食とスーパーで買うのと2,000円以上違うじゃないですか。
  • 違いますね。
  • あからさまに味や価格が違うときは、「安いから」とか「美味しいから」とか、それぞれが選ばれることに明確な理由を持ちますよね。ではなぜ、選ばれる薬局と選ばれない薬局があるのか。
    薬局には圧倒的に安いところというのはありません。やっていること自体はどこも同じです。
    しかし「選ばれる理由」を持つと「あそこの薬剤師がいい」といった理由で選ばれます。

薬が好きなんです。毎日漢方を飲んでるんです。

  • これはかなり余談ですけれど、かなり見た目がお若いですよね。
  • 薬が好きなんです。毎日漢方を飲んでるんです。
  • どういうことですか?
  • 腎のエネルギーがゼロになったら死ぬ、というのが漢方の考え方なんです。そのエネルギーがもっと元気だったときはもっと若い顔だったんですけどね。今の私は生まれ持った腎のエネルギーが疲れてしまっていて、毎日漢方を飲んで仕事をしています。
  • 今も十分にお若いですよね。
  • 会う人会う人にそう言っていただけるのはありがたいです。しかし、作っている感じがするともみんな言います(笑)。
  • そうなんですね。
  • はい。

「電気屋は暑い。薬局は涼しい。だからおまえは薬学部へ行け」

  • そういえばさきほど古河の方たちとお会いしました。みなさん素敵ですね。「電車通勤ですか?」と訊いたら元気に「電車で通勤してるんです!」と。「忙しくないですか?」と伺ったら、「社長が頑張ってるからねえ」と。いい空気ですね。
  • ありがたいですね。
  • 上坂さんは、小さな頃から家業を見てこられて、2、3歳のころにお父様が本店を作ったりと、色々な想いもおありかと思うのですが……。
  • 元々祖父が名古屋で電気屋をやっていたんです。僕の父は電気屋の息子だったんですね。
    ずっと見てきた家族の働き方がそういうものだったということもあり、サラリーマンのような働き方は父の頭にはなかったのだと思います。そしてたまたま、私の祖父のやっていたその電気屋さんのおむかいさんが薬局だったんです。
    「自分たちが汗水流してエアコンを直しているとき、薬局の方たちはエアコンのついた涼しい部屋で働いているんだ。しかも俺より稼いでいるそうだ。だからおまえは薬学部へ行け」と。
    そうして父が行ったのが某大学の薬学部。そこの後輩が細野だったんです。
  • そうだったんですね!
  • 大学を出た父は製薬メーカーに就職、20代はそこに勤めて30代で独立。でも、実は二代目の僕の母の方がやっていた歴は長いんですよ。18年くらい母がやっていたのかな。
  • お父様とお母様の経営は、全然違うものだったのですか?
  • 違いましたね。
    父親の時代はそもそも、医薬分業が始まってまもない頃でした。
    二代目となった母の時代は、医薬分業というものが業界的に拡大している時代でした。
    そして自分が受け継いだときにはもう、その制度に乗っかればうまくいくという業界ではなくなっていました。
    制度を乗りこなしながらの努力が必要なフェーズを迎えたんですね。
    創世記、黎明期、順調な時期があって、今は分かれ道。
    そういう流れを経て今、真の薬剤師をまとめていかないといけない時期がきています。
    恐らくこれは業界の共通認識だと思います。当社だけのことではなく。
  • 薬剤師さんの世界にはそういった時代の変遷があったのですね。
  • それで理念の話に戻るのですが、当社にある「新たな価値を」という理念は処方箋だけやってただ薬渡してっていう時代は終わったよという意味も込めているんですね。
    薬剤師さんに新しい薬剤師像みたいなものを、みなさんに持っていただきたい。

コンセプトは「選ばれる薬剤師」

  • 話が少し戻りますが、お父様のときとお母様のときとで時代がずいぶん違ったのですね。
  • そうですね。母が継いでいた時代は、医薬分業が拡大していく良い時代。
    出店など、事業拡大のチャンスでもありました。
    しかし母は子供を育てながら経営していましたし、薬剤師ではなかったので大変苦労したのです。
    薬剤師ではない人が薬剤師を動かすというのは本当に大変なことなんですよね。
    本人はそれが一番辛かったのではないでしょうか。薬剤師なら言えることも、薬剤師としての経験がないと言えなかったりしますからね。母としての顔と、代表としての顔。学校に送り出して、家のこともやりながら……毎日のことでいっぱいいっぱい。母がそうして「バトンを次世代へ繋ぐ」という大役を終えて、僕が引き継いだ頃には業界的に限りが見えてきていました。取捨選択。淘汰。薬局の数がコンビニより多くなり、6万店の時代になってきて、まあ、変化に富んだ時期に突入したのですね。
  • 業界が目まぐるしく変わる中で、差別化はどのようにしているのでしょうか?
  • そうですね。あとは、半径2キロメートルの中で選ばれる薬局、選ばれる薬剤師というのが基本コンセプトとしてありますね。座り心地のいいソファがあるということも大事かもしれませんけど(笑)。居心地のいい薬剤師さん。アプローチしやすい薬局。物理的な部分も整えながら、居心地の良い薬剤師が居る調剤薬局を目指しています。
    たとえば、原石の話。この人はルビー、この人はサファイアという風に多様な人たちがいて、個々の得意とする分野があり、提供する場としての会社があり、2つの要素が重なって光り輝く、というような。
    お給料ももちろん大事ですけどね。「なんか、ここにいると活躍できるな~」と感じる社員がいて、「なんか潤っているな~」と感じる会社がある。そういったプラスの実感が双方にきちんとある。それが一番です。
  • たしかにそれは社員さんにとって一番幸せですよね。
  • 業界を変えようとか。何かのスペシャリストになってみようとか。こういう自己表現をしたいとか。
    そういう強い想いのある人を実は強く求めています。さっきお伝えしたようにその強い想いと会社を融合させて新しい薬局像や新しい薬剤師像を描きたいです。

評価制度がなくても、評価されていることを本人がわかるのが良い。

  • 評価については、悩ましく思っています。時短。子育て優先。週休完全3日。働き方にも当然、多様性を求めてやっていきたいんです。ですが、そうすると個々の条件がフラットでなくなるので、どうしても差がきわだってしまうんですね。
    そうすると、「疎ましい」とか「がんばってるのに」とか、ネガティブな感情も出やすくなります。人間ですからね。
    評価制度がなくても、評価されていることを本人がわかるのが良いと思うんですけどね。
    見ているし、見られている。感謝しているし、感謝されている。
    そういう気持ち。それ自体が大事なんでしょうね。多様性を求めると、評価が伝わりづらくなる。でも、評価していることも個々に実感していただきたい。難しいですが努力します。

    たとえば業績を求めるのであれば、1つの目標を定めるのであれば、分担方式の方が絶対にいいんです。
    あなたはこれ、あなたはあれって。でもそうすると多分。大腸菌じゃないけれど。ある一定条件とかだと元気だけどある条件を加えたら全滅、みたいなことが起こります(笑)。遺伝子の進化といっしょなんですが、多様性だけが進化してはいけない。多様性と強さがリンクしていないと。
    究極を言ってしまえば自己実現みたいなことを会社で叶えられるようにしていきたいです。

  • どういう人に来ていただきたいですか?
  • やりたいことがはっきりしている人。中途採用でも新卒採用でも一緒ですけど、少なくとも「こういうことをしたい」とか「こうでありたい」っていうビジョンがある人。そして最近思うのは、やっぱり優しい人がいいということ。ベースに優しさがあってほしいです。中小企業は人間で伸びますし、人間で駄目になる。そして人間でもつ。職種的に、属性的に、人に尽くすことが嫌じゃない人に適正がある。
    だから患者さんと同じようにそれを家族やスタッフにやっていただきたい。利他主義とかそういうのではないけれど……。でもこれはすごく大事なことだと思うんですよね。どの職種でもです。
    ちょっとした気遣いが大事。優しさって連鎖していくと思うんです。
  • ウエサカさんが畑を耕して、種を撒いて、芽がワッと出てきたところに、いっしょに水をくれたりする人が来てくれるといいですよね。
  • 耕すとか、力のいることは僕がやるから。花が咲くまでのお膳立てはするから。みなさん、自分の想いという種を持って来てください! そして僕たちと一緒に新しい薬局像を創っていきましょう!

このページの先頭へ戻る